法務に資格は必要?持っていると役立つ資格を解説!

法務という職種は、契約や取引の法務関係を取り扱う仕事で企業にとって欠かせない存在です。

この記事では、法務職への転職を考えている人向けに活躍できる業界等に触れながら持っていると有利になる資格などをご紹介していきたいと思います。

法務への転職に資格は必要なのか?

鈴木

法務職に興味があります。何か特別な資格などは必要なのでしょうか?

鈴木

法務職で必要な資格というものはありません。しかし、法務職は専門的な知識が求められる難しい仕事であるので、キャリアアップなどを目指すのであれば資格の取得は必須とも言えるでしょう。

法務職に転職するために必要な資格というものはありません。

ただし、法務関係の業務は専門性の高いものが多く法律知識が求められる仕事です。

そのため、従事する人の多くが法務に役立つ資格というものを持って職務にあたっていることがほとんどです。

また、法律の知識があることが前提の職種であるので、資格を取得することはキャリアアップにつながります。

必ずしも法律家でなくてはいけないということはありません。

しかし、弁護士や司法書士など、法律の専門家として働きたい場合は別途国家資格が必要なケースもあります。

法務の資格を取得するメリット

法務は専門性の高い業務が求められるので、資格を持っていると下記のようなメリットがあるでしょう。

  • 仕事で必要な知識が手に入る
  • キャリアアップにつながる

仕事で必要な知識が手に入る

法務関係の資格取得は、法律に関する知識が手に入り、仕事の効率が上がります。

試験のために勉強するだけでも、効果的に知識をインプットできます。

また、法務に関する資格があることで知識だけでなく権威性を得ることができます。

法務に関する知識があったとしても、資格がなければどれぐらいのことを知っているのかというのは他者にとってわかりづらいものです。

しかし、実際に資格を持っていればその知識の裏付けとなり、あらゆる人から信頼を得ることができます。

キャリアアップにつながる

法務に関する資格を有していれば、社内でのキャリアアップが望めます。

特に法務職の場合は、管理職や外資系企業へのキャリアアップが目指せるでしょう。

また、弁護士資格などの国家資格を持っていれば会社の顧問弁護士としても働くことができて、大きな収入アップが見込めるというメリットがあります。

資格のほか法務に必要なスキル

鈴木

なるほど、資格はやはりあったほうが良いのですね。では、法務職で必要なスキルはどのようなものがあるのでしょうか?

鈴木

法務職は働く企業の規模やポジションによっても変わるため、求められるスキルは変わってきます。しかしながら、いずれにしてもビジネス的な視点を持っているかどうかというのは、法務にとって重要なスキルです。

法務は、働く企業によって法務の内容が異なるので、必要なスキルというものも変わってきます。

社会人として必要な事務処理能力やコミュニケーション能力といった基礎スキルを持っておくことは当然でしょう。

それに加え法務の場合は、法律の専門知識のほか経営やビジネスに対する理解といったビジネス的視点も求められています。

また、海外展開をしている企業であれば、語学スキルも持っておいたほうが良いでしょう。

法務の専門家になるために必要な資格6選!

ここで、企業法務の専門家として活躍できる資格を6つご紹介いたします。

法律のプロフェッショナルとして働きたいと思う人は、次の資格について見ていきましょう。

  • 行政書士
  • 司法書士
  • 弁護士
  • 通関士
  • 個人情報保護士
  • 弁理士

ここでは、それぞれの資格について順に解説していきます。

行政書士

行政書士は、官公署などに提出する書類や事実証明に関する書類作成や法律相談業務を学べる国家資格です。

行政書士事務所を開業して働くことを考えている人が取得を目指す資格と言えるでしょう。

試験科目と内容は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」と「行政書士の業務に関連する一般知識等」から出題(※1)されます。

憲法や行政法、商法・会社法から出題されるので、法律における専門的法律知識が求められる試験です。

これまでの合格率(※2)は次の通りです。

開催年度 合格率
平成21年度 9.1%
平成22年度 6.6%
平成23年度 8.1%
平成24年度 9.2%
平成25年度 10.1%
平成26年度 8.3%
平成27年度 13.1%
平成28年度 10.0%
平成29年度 15.7%
平成30年度 12.7%
令和元年度 11.5%

合格率は10%前後ですが、中には一桁の年度もあることから、行政書士の試験は合格率が低く難易度が高いものだと言えるでしょう。

受験資格に制限はなく、誰でも受験をすることが可能な資格で、毎年11月の第二日曜日に開催されます。

※1 一般財団法人 行政書士試験研究センター「試験の概要」

※2 一般社団法人 行政書士試験研究センター「最近10年間における行政書士試験結果の推移」

参照:https://gyosei-shiken.or.jp/

司法書士

司法書士は、財産や権利に関する知識を修得できる国家資格です。

不動産、法人に関する代理業務のほか裁判所や法務局等に提出するための書類作成における権限を手にすることができます。

企業法務部でキャリアアップを目指せることはもちろんのこと、独立開業をすることも実現可能な資格です。

司法書士の試験は、「民法」、「商法」、「不動産登記法」、「商業登記法」の主要4科目があります。

それに加えて、「司法書士法」や「民事訴訟法」といったマイナー7科目から出題されます。

2019年度は、13,683名の受験があり601名が合格(※3)しました。

司法書士の受験資格はなく誰でもチェレンジできますが、合格率は約4%程度であることからも非常に高い難易度であることがうかがえます。

なお、司法書士の筆記試験は毎年7月の第一日曜日もしくは第二日曜日に実施されます。

筆記試験合格者は、10月中旬ごろに行われる口述試験を受けることが可能です。

※3 法務省「2019年度司法書士試験の最終結果について」

参照:http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index3.html

弁護士

弁護士資格は、独立して弁護士になるほか、企業内弁護士として働くために必要な資格で、検察官や裁判官を目指すことも可能なものです。

弁護士になるためには、数ある試験の中でも最難関と言われる司法試験に合格する必要があります。

今回ご紹介している資格の中でも特に取得が難しい部類に入る資格と言えるでしょう。

実際に弁護士になる手順(※4)は下記のとおりです。

  1. 法科大学院に入学して、3年間または2年間学ぶ
  2. 司法試験に合格する
  3. 研修(司法修習)を受ける

そのため、司法試験を受ける前には法科大学院に通う必要がありますが、それ以外にも予備試験に合格して司法試験を受験する手段もあります。

司法試験は憲法、民法、刑法の3科目より出題される「短答式」に合格し、論文式試験に合格する必要があります。

なお、短答式で当該点数を下回ってしまうと、論文試験の結果に関係なく足切り不合格となるという特徴を持っています。

司法試験過去の合格率(※5)は以下のとおりです。

年度 受験者 合格者 合格率
2019年 4,466名 1,502名 33.6%
2018年 5,238名 1,525名 29.1%
2017年 5,967名 1,543名 25.8%

合格率は25%から30%程度ですが、本気で弁護士を目指している人が多く受験していてこの数値であるので、難易度は非常に高いということがわかります。

弁護士になることができれば高収入が望めますが、その分多くの学習時間を費やすことは必至の資格であることは間違いないでしょう。

コラム

予備試験とは2011年に始まった「法科大学修了程度の知識・能力があるかを判定する試験」のことを指します。

経済的・時間的な理由で法科大学院に通うことが難しい人が受けられるように設けられた試験制度です。

※4 日本弁護士連合会「弁護士になるには」

※5 法務省「司法試験の結果について」

参照:http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index1.html

通関士

通関士は、貨物の輸出入における税関の知識を持った専門家です。

貨物の輸入は、税関へ輸入申告を行い、審査後に、税関を正しくミスのないように計算し支払いをした上で輸入の許可を受けるという一連の流れがあります。

この手続に関する知識を生かすことができるのが通関士で、貿易業界では非常に高い評価を受けている専門家です。

そして、財務省管轄で貿易関連として唯一の国家資格です。

通関士の受験資格は制限なく未経験者でも受験が可能で、毎年10月に開催されます。

通関士の試験内容は、「通関業法」、「関税法等」、「通関実務」から出題(※6)され、選択式と択一式の形式があります。

直近の通関士試験の合格率(※7)は、下記のとおりです。

年度 受験者 合格者 合格率
2019年(第53回) 6,388名 878名 13,7%
2018年(第52回) 6,218名 905名 14,6%
2017年(第51回) 6,535名 1,392名 21,3%

年度ごとに合格率のばらつきがありますが、高くても20%前後であることから難しい資格であるということがうかがえます。

通関士になれば通関業者はもちろん、輸出入に関係する商社やメーカーなどへの転職にも役立つでしょう。

以上のことから、貿易関連の法務職を希望している人であれば非常に有効な資格なので、検討してみてはいかがでしょうか。

※6 税関「通関士試験の試験問題について」

※7 税関「通関士試験受験者数及び合格率等の推移」

参照:https://www.customs.go.jp/tsukanshi/

個人情報保護士

個人情報保護士は、個人情報保護に関する知識を修得できる資格です。

個人情報保護法の改正によって、多くの企業が個人情報保護の対象となっていて、個人情報士は需要のある専門家です。

個人情報保護の理解やマイナンバー法の理解を問う「課題Ⅰ個人情報保護の総論」が主な出題範囲です。

また、それに加えて情報システムセキュリティや組織的・人的セキュリティの理解を問う「課題Ⅱ個人情報保護の対策と情報セキュリティ」が出題範囲(※8)に含まれます。

資格区分は1級から2級があり、後述のマイナンバー実務検定1級または2級の合格者であれば「課題Ⅰマイナンバー法の理解」が免除されます。

過去の平均合格率は37.3%で、平成25年度の平均合格率は35.0%(※9)でした。

資格としての難易度は学習すれば十分に取得が目指せるレベルでしょう。

受験資格の制限はなく年4回実施されています。

そのため、落ちても三か月後には再び受験するチャンスがあるので気軽に受けることができるのがメリットです。

※8 一般財団法人 全日本情報学習振興協会「試験内容」

※9 一般財団法人 全日本情報学習振興協会「合格率」

参照:https://www.joho-gakushu.or.jp/piip/

弁理士

弁理士は、特許権や著作権といった知的財産に関する知識を修得できる資格です。

取得すれば特許庁への知的財産権出願代理などを行うことができます。

受験資格は制限なく、年に1度開催されています。

試験は特許法や実用新案法から問われる「短答式筆記試験」と意匠や商標から問われる「論文式筆記試験」、そしてそれらを面接形式で問う「口述試験」(※10)の順で行われます。

短答式を合格しなければ論文式を受験できず、論文式を合格しなければ最後の口述試験を受けることができないという特徴があります。

弁理士の直近の合格率(※11)は、下記のとおりです。

年度 受験者 合格者 合格率
2019年 3,488名 284名 8.1%
2018年 3,587名 260名 7.2%
2017年 3,912名 255名 6.5%

例年、合格率は10%未満で難易度は非常に高いということがうかがえます。

知財関連で最も有効な国家資格であり、独立開業もできる資格で、取得すれば多くのメリットが見込めるでしょう。

※10 特許庁「弁理士試験の案内」

※11 特許庁「弁理士試験」

参照:https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/index.html

法務職で持っていると仕事の理解が深まる資格6選!

次に、法務担当者が持っていれば仕事の理解が深まる代表的な資格6つをご紹介いたします。

  • ビジネス実務法務検定
  • マイナンバー実務検定
  • 知的財産管理技能検定
  • IPLawTest(知的財産法学試験)
  • ビジネス著作権検定
  • 貿易実務検定

特に企業法務部で活躍したい人はこれらの資格を活かせます。

ビジネス実務法務検定

ビジネス実務法務検定は、ビジネスで必要となる法律知識の修得ができる資格です。

取引先との契約書作成や企業財務の管理など、法律知識の必要な実務をする際に役立ちます。

そのため、法務関連関連の中では最も知名度があり、法務職で働く人の多くが取得を目指す資格です。

試験は、毎年6月頃と12月頃の年に2回開催されます。

また、資格区分は1級から3級まであり、受験各級の基準(※12)は下記のとおりです。

基準
1級 業務上必要な法務知識をビジネス全般にわたって持っており、その知識に基づいて多面的な観点から高度な判断・対応ができる。(実務的対応能力としてのアッパーレベルを想定)
2級 企業活動の実務経験があり、弁護士などの外部専門家に対する相談といった一定の対応ができるなど、質的・量的に法律実務知識を有している。(知識レベルのアッパーレベルを想定)
3級 ビジネスパーソンとしての業務上理解しておくべき基礎的法律知識を有し、問題点の発見ができる。(ビジネスパーソンとして最低限知っているべき法律実務基礎知識を想定)

2級と3級はマークシート方式で、1級は論文形式で出題されます。

受験資格に制限はありませんが、1級のみ2級合格者であることという条件があります。

法務職への転職で役に立つのは、外部専門家への対応ができる2級以上が望ましいでしょう。

2019年度のビジネス実務法務検定の合格率(※13)は下記のとおりです。

受験者数 合格者 合格率
第45回 2級 5,469名 2,970名 54.3%
3級 9,866名 7,911名 80.2%
第46回 1級 453名 78名 17.2%
2級 7,083名 2,170名 30.6%
3級 11,195名 7,906名 70.6%

2級・3級は他の資格と比較しても合格率が高く取得が容易ですが、1級からは一気に難易度が上がることがうかがえます。

2級取得でも法律に関する深い知識が身に付き、実務でも応用することができるでしょう。

そのため、法務職への転職を考えている人は、まず2級の取得を目指すことをおすすめします。

※12 東京商工会議所 検定試験情報「各級の基準」

※13 東京商工会議所 検定試験情報「受験者データ」

参照:https://www.kentei.org/houmu/

マイナンバー実務検定

マイナンバー実務検定は、マイナンバー制度に関する理解を深める資格です。

各企業へ対応が求められているマイナンバー制度に関する資格ということで、個人情報士と同じくこれからますます需要が増えてくる資格と言えるでしょう。

現在、どの企業でも健康保険や労働保険、源泉徴収などの手続においてマイナンバーが必要となっています。

そのため、法務に従事する人がこの資格を持っていればその知識を仕事で存分に活かすことができるでしょう。

年4回実施されていて、資格区分は1級から3級に分かれています。

マイナンバーに関する法令や罰則、番号法の概要などを問われる問題が出題され、いずれも70%以上の正当率で合格(※14)となります。

マイナンバー実務検定に合格すると、個人情報保護士の試験が一部免除されるので、あわせて取得することをおすすめします。

※14 マイナンバー実務検定 出題範囲

参照:https://www.my-number.or.jp/

知的財産管理技能検定

知的財産管理技能検定は、知的財産を管理するための技能が身につく資格です。

技術の発展によって、コンテンツやブランドといった知的財産のマネジメントが重要視される現在、この資格の需要は高いと言えるでしょう。

従来、民間資格の一つでしたが、2008年から国家資格となりました。

合格すれば「知的財産管理技能士」という国家資格が与えられます。

年に3回実施され、3級の受験資格は制限がありませんが、2級以上は「知的財産管理」職種での実務経験が必要となります。

また、資格区分(※15)は1級から3級までがあり、得られる国家資格は下記のとおりです。

選択作業 得られる国家資格
1級 特許専門業務 一級知的財産管理技能士(特許専門業務)
コンテンツ専門業務 一級知的財産管理技能士(コンテンツ専門業務)
ブランド専門業務 一級知的財産管理技能士(ブランド専門業務)
2級 管理業務 二級知的財産管理技能士(管理業務)
3級 管理業務 三級知的財産管理技能士(管理業務)

マークシート式の「学科試験」と記述試験、口述試験の「実務試験」の2種類があります。

3級はブランド保護やコンテンツ保護に関すること、2級は戦略や法務、リスクマネジメントに関すること、1級は契約やエンフォースメント、ブランド戦略などに関することが出題されます。

各級のレベル(※16)は下記のとおりです。

選択作業 合格に必要な技能及び検定に関する知識の程度
1級 特許専門業務 知的財産管理の職種における上級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度(知的財産管理に関する業務上の課題の発見と解決を主導することができる技能及びこれに関する専門的な知識の程度)を基準とする。
コンテンツ専門業務
ブランド専門業務
2級 管理業務 知的財産管理の職種における中級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度(知的財産管理に関する業務上の課題を発見し、大企業においては知的財産管理の技能及び知識を有する上司の指導の下で、又、中小・ベンチャー企業においては外部専門家等と連携して、その課題を解決でき、一部は自律的に解決できる技能及びこれに関する基本的な知識の程度)を基準とする。
3級 管理業務 知的財産管理の職種における初級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度(知的財産管理に関する業務上の課題を発見し、大企業においては知的財産管理の技能及び知識を有する上司の指導の下で、又、中小・ベンチャー企業においては外部専門家等と連携して、その課題を解決することができる技能及びこれに関する初歩的な知識の程度)を基準とする。

そして、2020年7月に実施された知的財産管理技能検定の各級の合格率(※17)は下記のとおりです。

学科試験合格率 実技試験合格率
1級 9.8% 81.8%
2級 35.2% 31.2%
3級 66.3% 69.1%

級ごとに合格率の差が大きく、2級から難易度が上がることがうかがえます。

また、1級は実技試験よりも学科試験の通過が非常に難しいという特徴もあります。

知的財産管理技能検定は、合格すると法務関連の転職で有利になる資格ですので、法務への転職を目指す人にもおすすめできます。

※15 知的財産教育協会 知的財産管理技能検定「受験資格」

※16 知的財産教育協会 知的財産管理技能検定「試験の種類とレベル」

※17 知的財産教育協会 知的財産管理技能検定「実施結果データ」

参照:http://www.kentei-info-ip-edu.org/

IPLawTest(知的財産法学試験)

IPLawTest(知的財産法学試験)は、知的財産に関する法律が身につく資格です。

この資格は、知的財産の法律に特化しています。

そのため、弁護士や行政書士など士業事業家として活躍する人や知的財産法関係のコンサルタントや教授などが取得を目指している資格です。

通常の検定試験とは異なり、合否判定ではなくTOEICのようにスコアとランクで格付けされる資格で、2017年に第1回が実施された比較的新しい試験です。

受験資格は不要で、試験結果の評価は高いものから順にSからDがあります。

それぞれのランクの知識レベル(※18)は下記のとおりです。

ランク 知識レベル
S 知的財産法の研究者レベル(総合的、体系的に条文の解釈ができ、重要判例を理解している)
A 知的財産に係る大学院既習レベル(弁理士・弁護士と同等の基本的な条文の解釈ができ、重要判例を理解している)
B 法学部等における「知的財産法」科目の既習レベル上位(基礎的な条文の解釈ができ、基礎的な重要判例を理解している)
C 法学部等における「知的財産法」科目の既習レベル(既習者として最低限の条文の知識を有する)
D 知的財産法学習中のレベル

試験はマークシート方式で、知的財産法に関する総合的な知識を問われる「総合テスト」と知的財産法における法領域ごとの知識レベルを問う「法領域別テスト」があります。

法領域別テストは、下記6つの領域について出題されます。

  • 特許法・実用新案法
  • 意匠法
  • 商標法
  • 条約
  • 著作権法
  • 不正競争防止法

IPLawTestは、弁理士短答式問題を参考に実施されているので、弁理士を目指す人にとってはこちらの受験もおすすめです。

2019年に実施された試験は、受験者の年齢は36歳から40歳の割合が21.7%と最も高く、受験者の職業の割合は企業(知財・法務関連部門)が26.1%(※19)で最も高いという特徴があります。

※18 一般社団法人 日本知的学会「試験要領」

※19 一般社団法人 日本知的学会「第3回IPLawTest実施結果データ」

参照:https://iplt.ip-edu.org/

ビジネス著作権検定

ビジネス著作権検定は、著作権に関する知識を深める検定で、著作権に特化した国内唯一の資格認定試験です。

著作権の知識を持った人材というのは企業にとって非常に重宝されます。

この資格を持っていれば、知的財産権取得に関する手続や問題解決のアドバイスができるようになります。

そのため、弁護士や弁理士を目指す場合にも役立つでしょう。

ビジネス著作権検定の資格区分は順に著作権の基礎を問う「BASIC」、著作権の情報モラルや法令を問う「初級」、初級の応用力を問う「上級」の3つがあります。

区分ごとの認定基準(※20)は下記のとおりです。

区分 認定基準
BASIC 日常生活において著作物を扱う際、トラブルを起こさないために知っておきたい、著作権制度の初歩的・入門的な知識を持っている。
初級 著作物とは何か、著作権とはどのような権利かを知っている。利用者として、他人の著作権を侵害せず正しく著作物を利用できる。
上級

著作権に関する知識を活用し、著作権利用に関する問題点を発見し、解決できる。

契約、司法制度、条約に関する知識を活用し、専門家の助力を得ながら著作権に関する実務を展開することができる。

BASICは、マルバツ式と多肢選択式で出題、初級と上級は多肢選択肢式問題でそれぞれ出題されます。

また、受験資格は制限なしで、年に4回実施されます。

2019年度の平均合格率は、66.6%(※21)でしたので、しっかりと勉強をしていれば合格を目指せる難易度と言えるでしょう。

※20 サーティファイ著作権検定委員会「認定基準」

※21 サーティファイ著作権検定委員会「認定基準」

参照:https://www.sikaku.gr.jp/bc/

貿易実務検定

貿易実務検定は、貿易実務に関する知識を深める検定です。

貿易におけるマーケティングや商談、クレーム対応など実務に関する様々な分野を学習でき、体形的な知識が身につく資格です。

貿易実務検定の資格区分(※22)は、難易度の高い順にAからC級の3つがあります。

だれでも受験できる資格ですが、実務経験の年数によってレベルの目安が異なります。

実務経験の目安
A級 概ね、3~4年以上の実務経験のレベルです。貿易実務において判断業務を行うことができる実力を証明するレベルです。
B級 概ね、1~3年以上の実務経験のレベルです。貿易実務経験者の中堅層を対象としています。
C級 概ね、1~3年以上のレベルです。定型業務をこなすために必要な知識があることを証明するレベルです。まずはこのレベルで基礎固めをしてから、上級レベルにのぞみましょう。

A級とB級は、貿易実務、貿易実務英語、貿易マーケティングから出題、C級は貿易実務と貿易実務英語から出題されます。

直近の各級の合格率(※23)は、下記のとおりです。

試験回 受験者数 合格者数 合格率
第18回(令和元年7月) A級 142名 59名 41.5%
第64回(令和2年8月) B級 1,422名 772名 53.5%
第84回(令和2年7月) C級 2,215名 1,509名 68.1%

実務の経験がある人を対象にした試験ですが、B級とC級は比較的易しい難易度、A級は50%を切っているので、難易度が高いことがうかがえます。

受験者が多く、貿易実務に関する民間資格の中では知名度も高いので、貿易業界で法務に携わりたい人におすすめの資格です。

※22 日本貿易実務検定協会「各級の詳細」

※23 日本貿易実務検定協会「受験者数と合格率」

参照:https://www.boujitsu.com/

法務職に転職するなら転職エージェントがおすすめ

法務職への転職を目指すなら、法務職に特化した転職エージェントがあるので、下記4つをご紹介いたします。

  • MS-Japan
  • マイケルページ
  • リーガルブリッジ
  • マイナビエージェント

転職エージェントであれば、履歴書や職務経歴書のほか、キャリアドバイザーによる転職相談や面接対策を行ってくれるのでおすすめです。

法務職に特化した転職エージェントであれば、法務関係に詳しいキャリアアドバイザーも在籍しています。

MS-Japan

引用元:https://www.jmsc.co.jp/

MS-Japanは法務職に強い転職エージェントで、企業法務に加えて弁護士事務所の求人などが充実しています。

専門的知識を有したキャリアコンサルタントのサポートが万全で、法務職を目指す人におすすめです。

マイケルページ

引用元:https://www.michaelpage.co.jp/

マイケルページは、外資系に特化した転職エージェントです。

外資系法務職の求人が豊富で、年収の高いハイクラス案件をメインに取り扱っています。

 マイケルページの公式サイトはこちら!

リーガルブリッジ

引用元:https://legal-career.jp/

リーガルブリッジは、法務や知的財産に強い転職エージェントです。

東京エリアの求人が中心のため、都内で法務職を目指す人が多く利用していています。

マイナビエージェント

引用元:https://mynavi-agent.jp/

マイナビエージェントは、圧倒的求人数を取り扱う転職エージェントです。

企業法務や法務関連の求人数も多く掲載されていて、法務職に特化した転職エージェントと一緒にこちらを登録することをおすすめします。

まとめ

今回は、法務職への転職を考えている人向けに専門家として必要な資格や企業法務として役立つ資格などについて解説していきました。

法務職は専門知識や業務の幅が広く、弁護士や司法書士といった資格が必要となるものから、仕事の中で役に立つ資格などその種類も様々です。

法務職への転職は難しいものではありません。

しかし、資格の取得が転職に有利に働くことは間違いないので、まずは資格の取得を目指して学習をしてみてはいかがでしょうか。