自分のセンスや発想力を活かして、デザイナーになりたいと考えている人は多いのではないでしょうか。
しかし、デザイナー関連の資格は非常に多くあるため、どれを取得すればよいのか迷うものです。
本記事では、資格の種類と受験をおすすめする人の特徴を解説しています。
転職活動の参考にしてください。
目次
デザイナーとは?
鈴木
鈴木
デザイナーはデザインを担当する仕事ですが、インテリアデザイナーやWebデザイナー、ファッションデザイナーなど多数の職種があります。
そのため、それぞれのデザイナーを目指す場合に役立つ資格の種類も多岐にわたるのです。
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デザイナーを目指すために資格は必要?
鈴木
鈴木
結論から言うと、デザイナーを目指すための資格取得は必須ではありません。
しかし、取得しておくことで、転職時の選考通過率が高まる可能性があります。
センスのよさや感性の豊かさなどは資格取得では測れませんが、仕事に使うツールの技術や最低限の知識を取得していることを示せるためです。
また、デザイナーを目指す際に、どの資格を勉強をすればよいのか分からないという人も多くいます。
資格勉強はデザイナーを目指すための指針となり、モチベーションの向上にもつながるため、資格取得を視野に入れておきましょう。
デザイナーとして働く際に有利になる資格
鈴木
鈴木
ここでは、デザイナーとして働く際に有利になる資格を12個紹介します。
これらの資格取得をおすすめする人についても記載しているため、どの資格を取得するか判断する参考にしてください。
アドビ認定エキスパート
アドビシステムズ社が主催しており、世間的な認知度の高い資格です。
試験科目はPhotoshopとIllustratorの各アプリケーションに分かれています。
そこで、自分がスキルを証明したいアプリケーションの資格を取得しましょう。
試験は各会場のパソコンを利用して行う方式を採用しており、全問回答直後に合否が分かるようになっています。
どのような試験か興味がある人は、公式サイトに記載されているサンプル問題を参考にしてみましょう。
アドビ認定エキスパートの資格取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- IllustratorやPhotoshopのスキルを勉強しながら高めたい人
- 世間的に知られている資格を取得したい人
- デザイナーとして画像処理や作成スキルを客観的に示したい人
Photoshopクリエイター能力検定試験
サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が主催しており、画像編集ソフトであるPhotoshopのスキルを測る認定試験です。
試験ではアプリケーションに関する基礎的な知識から、実践的な問題も出題されています。
勉強したことが実務で活かせることから、選考の際にもスキルをアピールしやすい資格です。
この試験にはスタンダードとエキスパートの2種類が用意されているため、自分のレベルに合わせたコースを受験しましょう。
スタンダードでは実技・実践問題が出題され、エキスパートになると知識問題が加わります。
「指示通りに作業できる」ことを示したい人は、まずスタンダードを受験しましょう。
「ニーズを満たしつつ、創造性のあるコンテンツを制作できるスキル」を示したい人はエキスパートを受験します。
資格取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- 実務でPhotoshopを扱う人
- Photoshopのスキルをアピールしたい人
- 創造力もアピールしたい人
Illustratorクリエイター能力検定試験
こちらもサーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が運営する、Illustratorのスキル測定に絞った検定試験です。
デザイン技術とIllustratorのスキルを同時に示せます。
こちらもスタンダードとエキスパートのレベルが設けられており、「指示通りにIllustratorを操れる」ことを示したい場合はスタンダードを受験しましょう。
「クライアントニーズを満たしつつ、創造力のあるコンテンツを制作できる」ことを示したい人にはエキスパートの受験がおすすめです。
実技・実践を中心としたスタンダードに対し、エキスパートでは知識問題も問われます。
試験結果のフィードバックもされるため、自分にどのスキルが不足しているのかを認識できます。
取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- DTP業界志望の人
- Illustratorのスキルをアピールしたい人
- グラフィックデザイン関連の仕事に就きたい人
DTPとは、「DeskTop Publishing」の略称で、出版業界における制作~編集までの過程で使われるソフトウェアを指す言葉です。
ソフトウェアを利用する業界は、インターネットの普及によって、出版・印刷業界からIT業界まで幅広いものとなっています。
DTPソフトの具体例として、InDesignやOfficePublisherなどがあり、耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
これらのソフトを専門に扱う「DTPオペレーター」も生まれ、印刷データの作成業務に取り組んでいます。
グラフィックデザイナーにキャリアアップすることもでき、職種の幅を広げることも可能です。
Webデザイナー検定
Webデザイナー検定はCG-Artsが開催しており、Web制作関連の知識やスキルを問う資格です。
コンセプト設計から実務・運用まで、Webデザインに欠かせない知識を一貫して出題されます。
ベーシックとエキスパートに分かれており、ベーシックは実務経験者でない場合でも比較的取得しやすい資格です。
一方のエキスパートは実務経験者でも合格が難しいといわれています。
しかし、勉強を通して業務の流れなどを知ることができるため、実務に活かせる資格です。
取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- Webデザイナーを目指している人
- Webデザイン全般の知識を習得したい人
- Web系の企業に勤務している人
ウェブデザイン技能検定
多数あるWeb系の資格のなかで唯一の国家資格です。
実技・知識ともに出題され、プログラミングスキルよりもWebデザインのスキルを測っている点が特徴といえます。
実務能力も示せるため、Web系の資格を取得したい人にとって勉強して損のない資格です。
ウェブデザイン技能検定では3級・2級・1級の順で難易度が上がり、それぞれの等級によって受験資格が設定されています。
実務経験を要する等級があるため、まずは誰でも受験できる3級の資格取得を目指しましょう。
1級ではペーパー試験も組み込まれているため、対策が必要になります。
取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- Webデザイナーを未経験で目指している人
- 実務経験者で、自分のスキルを知りたい人
- 国家資格を取得して選考通過率を上げたい人
Webクリエイター能力認定試験
受験者数が多く人気の高い資格試験で、Webサイトのデザイン制作からコーディングスキルまで幅広いスキルを問うものになっています。
主な受験者は、Webデザイン業界を目指している人や、実務経験者で自分のスキルを知りたい人です。
実技試験のみのスタンダードと、知識問題もあわせて問われるエキスパートが用意されているため、自分のレベルに合わせたコースを受験しましょう。
取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- Webデザイナーとして活躍したい人
- デザイン系のコーディングスキルを身につけたい人
- Webデザインに関する基礎知識を学びたい人
色彩検定(カラーコーディネーター)
公益社団法人色彩検定協会が運営している色彩に関する検定試験です。
文部科学省後援のカラーコーディネーター資格としても知られており、色彩全般に関する知識を身につけられます。
色彩という言葉からファッション業界を連想しがちですが、インテリア業界を含むさまざまな業界でも活躍できます。
習得した知識は実務ですぐに活かせる試験です。
試験は3級・2級・1級・UC級が用意されているため、自分が取得したい等級を見極めて受験しましょう。
UC級とは「色のユニバーサルデザイン」級の略で、誰もが見えやすい色使いのスキルを測る等級です。
取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- アパレル業界・ファッションデザイナー・インテリアデザイナー志望の人
- ネイリストや美容師、メイクアップアーティストになりたい人
- グラフィック・Webデザイナーになりたい人
カラーコーディネーター検定試験
実務で活かせる色彩の知識を測る検定試験です。
試験勉強を通して、色がもつ特性・性質などの基本的な知識から、ファッションなどの色彩全般を学習できます。
まさしく、デザイナーへの登竜門となる試験といっても過言でありません。
検定試験にはスタンダードとアドバンスの2つのコースが設けられています。
これらの試験を受けることで、商品企画・提案などに関する知識が身につくため、業務の幅がさらに広がるのです。
取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- デザイン全般の知識を習得したい人
- デザイン業界で活躍したい人
- メイクアップアーティストなどになりたい人
色彩士検定(カラーマスター)
全国美術デザイン教育振興会が運営している検定試験です。
資格取得によって、「アデックカラーマスター色彩士」として認定されます。
3級・2級・1級の3つのコースが用意されており、2級と3級は誰でも受験可能です。
1級は2級を取得していないと受験資格を与えられないため、まずは2級もしくは3級の取得を目指しましょう。
検定試験には理論・実践・演習と幅広い問題が出題されることから、色彩に関する基礎知識をまんべんなく学べます。
最終的には色彩設計に関するプレゼンテーション能力が身につけられるのです。
取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- 初心者、デザイン業界未経験者で色彩に関して基礎から知識を習得したい人
- 実務で役立つ色彩設計について学びたい人
- 色彩に関わる仕事に就きたい人
インテリアコーディネーター
居住者が快適に暮らせるためのインテリアに関する知識を測る資格です。
取得によってインテリア・家具・照明などさまざまなデザイン設計ができるようになります。
試験は1次試験と2次試験で構成されており、1次試験はマークシート方式の学科問題のみです。
2次試験では製図などの実技と論文の記述式問題が出題され、より専門的な知識を問うものとなっています。
取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- 住宅関連業界に勤めたい人
- インテリアについてアドバイス・提案できるようになりたい人
- インテリアコーディネーターとして活躍したい人
ファッション色彩能力検定
アパレル業界で役立つ色彩の知識を全般的に習得できる検定試験です。
色彩系の検定の中でもアパレル業界に特化した資格である点が特徴といえます。
3級・2級・1級の3つの等級があり、2級・3級はマークシート方式です。
1級では記述式と実技の試験を伴うため、取得の難易度が上がります。
取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- アパレル業界でファッションデザイナーとして活躍したい人
- 商品企画やディスプレイ業務に携わりたい人
- アパレル業界で役立つ色彩理論を基礎から習得したい人
パーソナルカラリスト検定
顧客の肌・瞳・髪といった特徴から、その人に似合う色を導き出すための検定試験です。
検定合格によって、パーソナルカラーの提案ができるようになり、ファッションやヘアメイクアップアーティスト、ジュエリーデザイナーといった仕事に役立ちます。
また、色彩に関する基礎知識を備えていると見なされるため、転職時の選考通過率も高まるのです。
3級・2級・1級の3つのコースが設けられており、1級のみ1次試験と2次試験があります。
1級の1次試験ではマークシート方式での採点となりますが、2次試験では配色に関する実技と記述試験が加わります。
1級は2級取得者のみ受験可能です。
取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- 美容師・メイクアップアーティストなど、色に関する仕事に就きたい人
- お客さんの個性に合う色を提案できるデザイナーになりたい人
- 色に関する基礎知識を学びたい人
画像処理エンジニア検定
画像処理スキルを客観的に示せる資格として、近年需要が高まっている検定試験です。
文部科学省後援の試験でもあり、勉強したことが実務に直結することが人気を高めています。
ベーシックとエキスパートの2種類が用意されており、画像処理の基礎的なスキルを示したい場合は、ベーシックを受験しましょう。
エキスパートではアルゴリズムへの理解も求められることから、開発に関する知識も習得できます。
画像処理の他、アプリケーションの開発・運用のスキルも示せるため、汎用性の高い資格だといえるのです。
取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- 需要が高まっている画像処理資格を取りたい人
- カメラメーカーに就職したい人
- 画像開発エンジニアとして活躍したい人
プロダクトデザイン検定
商品開発に関する幅広い知識を問われる検定試験です。
高い専門性をもったデザイナーであることを客観的に示すことができる資格となっています。
プロダクトデザインへの知識レベルが判別できることから、すでにプロダクトデザイナーとして働いている人も受験しているほどです。
この検定に合格することで、デザイナーとしてスキルアップやキャリアアップも目指せます。
試験には2級・1級の2つのコースがあり、自分のレベルに合ったものから受験しましょう。
取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- プロダクトデザインの基礎知識を学びたい人
- 商品開発部などでプロダクトデザイナーとして活躍したい人
- 実務経験者で、プロダクトデザイナーとして腕試しをしたい人
DTPエキスパート
公益社団法人日本印刷技術協会が主催しており、パソコンを使用した出版物に関する知識を問う資格試験です。
勉強したことが実務で活かせるため、出版・印刷系業界でDTPデザイナーとして活躍したい人から人気の高い資格となっています。
さらに、メディアのもつ効果などを知り、設計・制作に必須となる知識全般も習得可能です。
取得をおすすめする人の特徴は以下の通りです。
- 印刷・出版業界でDTPデザイナーとして活躍したい人
- デザイナーの実務に活かせる資格を取得したい人
- 時代に応じた編集スキルを身につけたい人
資格取得の勉強方法
鈴木
鈴木
独学で勉強する
コストがかからない点が最大のメリットですが、忙しい人は取得までに時間がかかる可能性があります。
不明点・疑問点などはインターネットで検索するなどの方法で解決しようとした場合、正解が見つからない場合もあります。
そのため、検定・資格試験公式の教本を使うなどして、正しい知識を身につけるようにしましょう。
専門スクールに通って取得する
費用の負担はありますが、分からない点を講師にすぐに相談できるのが大きなメリットです。
また、スクールで学習スケジュールも立ててくれるため、効率よく進めたい人におすすめの取得方法といえます。
ただし、夜間や通信講座のあるスクールは限られているため、よく吟味してから選ぶようにしましょう。
進路に迷ったときは転職エージェントに相談しよう
鈴木
鈴木
デザイナー未経験者にとって、転職活動は不安になるものです。
志望するデザイナーになるための進路に迷った際には、転職エージェントに相談してみましょう。
転職エージェントでは、無料でさまざまな転職サポートを行っており、求職者の相談にものってくれます。
また、自分が希望している条件をエージェントに伝えたうえで、「どの資格がおすすめなのか」「資格取得すべきか」といった疑問も相談可能です。
ここでは、クリエイティブ系に特化した転職エージェントを3社紹介します。
【サポート体制が万全】マイナビクリエイター
引用元:https://mynavi-creator.jp/
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引用元:https://doda.jp/
幅広い職種を取り扱っている、総合型の大手転職エージェントです。
職種を細かく設定して検索できるため、求人を探しやすい点が特徴的です。
希望するデザイナーの資格を取得して転職成功率を高めよう
鈴木
鈴木
転職を成功させるには、サポート以外にも本人の意欲が不可欠です。
とくにデザイナー未経験者が、選考の場でセンスなどをアピールすることは難しいため、資格を取得してツールや色彩への理解を客観的に示しましょう。