転職で保健師をめざすには?看護師の種類や働く場所から転職の可能性を解説

保健師の仕事に興味はあるけど、転職で保健師をめざすことが本当に可能なのか、気になるところだと思います。

実際には、人の健康を扱う仕事のため狭き門ではあります。本記事では、保健師とはどんな仕事のなのか説明しながら、看護師の種類や働く場所から、転職として「保健師」という仕事をどうとらえるのか、解説していきます。

保健師の仕事内容

鈴木

医療系のジャンルに転職したいと思っているのですが、看護師や保健師などの似たものがあり、困っています。
保健師について、詳しく教えていただけますか?

鈴木

保健師は、看護師との違いが分かりづらいですよね。
また、医療に関わるような職業の為、責任感が必要とされます。

まず、保健師とはどういう仕事なのか、確認していきたいと思います。

保健師は、保健師助産師看護師法総則第二条において「厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者」とある通り、規定されている国家資格です。

保健師とは、公衆衛生や病気予防の知識や技術を有する専門家です。

病気やケガの患者さんが相手となる、看護師との大きな違いは、保健師の仕事は、病気の予防や啓蒙活動が中心となることです。

広義には、地域の健康課題を把握し、課題解決のための計画を立案し、実施する仕事、さらには課題の解決に必要な社会資源を開発する仕事なども含まれます。

現代では生活習慣病、児童虐待、高齢者や障がい者の孤立を含むあらゆる年代のメンタルヘルスや、新興感染症、自然災害、健康格差など、社会の変化や、地域に根ざす問題により、保健師の期待される仕事も変化しています。

保健師のやりがいや平均年収

一般的には、予防医療に関われるが、やりがいであると、よく言われています。言い換えれば、健康な日常生活を送れるようなサポートが専門的にできるということです。

例えば、地域保険WEBというサイトでは、ある保健師は、その地域において、40歳からの健康づくりに様々な施策に取り組みました。30年後、70歳を超えて健診を受けに来てくださったご夫婦がいた、という事例がありました。仕事の内容と長く働いていることから、自身の取り組みを肌で感じることができた事例といえるでしょう。

「長く働く」という意味においては、雇用の安定性も、やりがいに大きく影響を与えているといってもいいでしょう。

長期的に働けるのは、看護師のような夜勤がなく、日勤のみという勤務形態が多いことが影響しています。非常に働きやすいと言えるでしょう。

逆につらいことで言えば、「指導的立場」ということが言えるかもしれません。

「指導的立場」とは、保健師の経験年数に関わらず、地域住民(企業の場合はそこで働く社員たち)にとって頼りがいがあり、適切な指導をしてくれる専門家でなくてはならない、というプレッシャーがあるということです。

看護師であれば先輩後輩といった関係性もありますが、保健師の場合、同じ職場に保健師の仲間がいない、もしくは少数であることも少なくないので、自分自身で解決していく局面も多いかもしれません。

次に、保健師の年収は約367万円と言われています(※1)。

総合的にみて、安定感や社会的貢献を求めている人には良い仕事であるといえるのではないでしょうか。

(※1)求人ボックス-保健師

保健師の種類

鈴木

保健師について調べていると、いくつかの種類があるようです!詳しく教えていただけますか?

鈴木

保健師には全部で4つの種類があり、それぞれの業務内容が異なります。

行政保健師

「行政保健師」とは、地域の保健センターや保健所などの、地域行政関係の施設に勤め、市民の健康相談や、医療相談などがあります。また地域の公務員の保健指導も行います。
日本看護協会のデータ(※2)によると、市町村に勤める保健師の就業人口が一番多いとなっています。

(※2)日本看護協会-看護統計資料

産業保健師

「産業保健師」は主に大企業に所属し、社員の健康管理に従事します。近年の「健康経営」が重要視される傾向も、産業保健師の需要に関係しています。

学校保健師

「学校保健師」はいわゆる保健の先生であり、公立/私立の学校に勤める保健師です。応急処置や生徒の健康相談を受け付けます。

病院保健師

最後に、「病院保健師」は、病院に勤め、健康診断や健康相談の業務に従事します。看護師と兼務しているケースもあります。

このように、働く場所により、保健師の種類は様々です。近年、一般企業においても、健康経営や職場におけるメンタルヘルスケアが重要視されており、行政保健師だけではなく、産業保健師として働く選択肢も増えつつあります。

保健師になるには

鈴木

保健師についてどのような仕事かのイメージが湧きました!
今度はどうすれば保健師になれるのかを教えていただけますか?

鈴木

保健師になるには、看護師資格を取得してから保健師資格も取得する必要があります。
また、保健師資格は国家資格です。

保健師は、冒頭にも記載したように、「国家資格」です。
また、その保健師の資格を受験する際の受験資格として、看護師資格を取得している必要があります。
すなわち、看護師資格がないと、保健師資格の受験ができない、ということになります。

将来的に保健師を転職の選択肢として考える方々向けに、看護師の資格を持っている場合と、持っていない場合に分けて説明していきます。

看護師資格を既にもっている場合

看護師資格を既に取得している場合は、指定された教育機関で、1年以上の保健師受験のための学科(保健師専門教育)を修了することで、保健師の受験資格が得られます。

これが看護師資格を既に取得している場合の、保健師の資格取得の道のりとなります。

看護師資格をもっていない場合

看護師資格をもっていない場合は、まずは看護師資格から取得する必要があります。看護師資格を取得するには、看護専門学校(3年制)、看護短期大学(3年制)などに通う必要があります。夜間コースがある学校ならば、働きながら取得することが可能です。

看護師資格を取得した後の道のりは、上記のとおりです。

4年制大学の看護学部で、保健師になるためのカリキュラムも選択できる大学であれば、看護師試験、保健師試験のダブルで受験することも可能です。

いずれにせよ、看護師資格をもっていない場合は、保健師の資格を取得するために、最短でも4年の期間をかけなければなりません。
看護師資格をもっていない人は、社会人入学を受け付けている4年制大学を確認し、長期的に計画を立てることををおすすめします。

保健師のニーズ

冒頭でご紹介したように、社会の変化によって、保健師に期待される役割も変化していきます。

近年においては、「地域包括ケアと保健師」、「健康経営と産業保健師」という2つの側面から、保健師の存在意義について解説していきます。

地域包括ケアと保健師

厚生労働省の方針「地域包括ケアシステム(※3)」により、保健師も重要な役割を担っていくことでしょう。

“2025年(平成37年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(「地域包括ケアシステム」)の構築を推進”

全国の自治体において、地域包括支援センターという機能が、地域包括ケアシステム構想の推進とともに設けられました。

地域包括支援センターには社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャーが配置されており、それぞれが専門性を発揮して役割を果たしていくことが、めざす姿となっています。

本格的な高齢化に伴い、医療、保健など、さまざまな領域の関係機関と連携し、高齢者の生活課題に対応していく必要性から、ますます保健師の役割は重要視されるのではないでしょうか。

(※3)厚生労働省-地域包括ケアシステム

健康経営と産業保健師

従業員へのメンタル面、フィジカル面の双方の状態を改善する取組を全社的に行い、従業員の健康増進を図ることで、将来的な企業の生産性の向上につなげる、健康経営の意識の高まりから、企業においても保健師のニーズが高まっています。

厚生労働省は、企業に対して、「チームとなって産業保健活動をすすめる」ことを推奨しています。「チーム」とは、企業の人事労務の担当者・産業医・専門職である保健師を意味しています。

厚生労働省は、「事業場における産業保健活動の拡充に関する検討会」も定期的に行っており、民間企業においても、国の後押しで産業保健活動をすすめていこうとしています。

(※4)厚生労働省「産業保健活動をチームで進めるための実践的事例集」

保健師になることを目指している方におすすめの転職エージェント

社会的要請から保健師の需要は高まることが予想されます。

お伝えしてきたように、保健師と一口に言っても、様々な活躍の場があるため、将来のありたい姿を描きつつ、資格取得も含めた長期的な準備を行う必要があります。

一方、安定感のある仕事のため、求人が恒常的に多いわけではありません。

そのため、保健師への転職として考えるのであれば、保健師への転職に強い転職エージェントに登録しておくことをおすすめします。