語学力を活かして働く!翻訳家の仕事内容や収入、翻訳家になるための方法とは?

得意な語学を活かして翻訳の仕事をしてみたいと思う人も多いのではないでしょうか?

近年は英語だけでなく、経済発展の動きに合わせて中国語や韓国語の翻訳の需要も高まってきています。

「翻訳を生業とする人=翻訳家」の実際の仕事内容や収入、やりがい、翻訳家になるまでのステップや必要とされるスキルについて解説します。

翻訳家とは

鈴木

語学に興味があるため、将来的に語学に関する仕事に転職したいと考えています。翻訳家に興味があるのですが、どのような仕事内容になるのでしょうか?

鈴木

外国語の文書を別の言語の文書へと訳すスペシャリストです。高い専門性を要求されるほか、仕事内容も多様なため、自分のスキルや志向、性格に合った働き方を選ぶ必要があります。

ある言語の文章を他の言語へと訳すのが翻訳家の仕事です。「外国語→日本語」へと、単に言葉を置き換えるだけでなく、分かりやすい文章へと再構成します。

翻訳の分野は3つに分けられますが、それぞれに求められるスキルが異なります。また、企業に所属する以外にもフリーランスで働く翻訳家も多数いるなど、働き方も多様になる傾向があります。

ここでは、翻訳家の実際の仕事内容や年収、やりがい、必要とされるスキルや適性について見ていきます。

翻訳の分野は大きく3つ

翻訳と言えば、外国語の辞書を片手に、常にデスクに向かって作業するイメージがあるかもしません。求人サイトや転職エージェント経由で「翻訳家」という求人に出会うことはほとんどないだけに、なかなか見えてこない翻訳家の実際の仕事内容。ここでは、翻訳の分野ごとにその仕事内容を解説します。

翻訳の分野は、文書の内容や目的によって、次の「産業翻訳」「出版翻訳」「映像翻訳」の3つに分かれます。一般的に、翻訳の仕事はそれぞれの分野ごとに高い専門性が要求されるため、自分がどの分野で翻訳家として活躍したいかをあらかじめ明確にしておくことが望ましいと言えます。

産業翻訳

実務翻訳と呼ばれることもある分野で、企業や官公庁で扱う文書を翻訳するものです。契約書などのビジネス文書、マニュアル、学術書といった文書が対象です。
語学力はもちろん、その業界ならではの専門用語を訳語としてあてる必要があることも多く、それぞれの業界に精通した高い専門的知識が要求されます。
例えば、法律関係の資料であれば、法律全般に関する豊富な知識と法律の解釈能力が必要になります。産業翻訳家のほとんどが自分の専門とするジャンルを絞っているのはこのためです。
また、国内での翻訳業務の多くが産業翻訳と言われるほど需要が高い分野です。企業内で働くことも少なくありません。そのため、翻訳家として活躍する可能性を見つけやすい分野だとも言えるでしょう。

出版翻訳

文芸翻訳とも呼ばれる分野です。小説やノンフィクション、児童書といった、外国語で書かれた書籍を翻訳します。
文芸色の強い書籍以外にも、政治問題や時事問題関連の書籍、ビジネス書など、出版される書籍全般を指すこともあります。出版物に訳者として名前が掲載されるため、多くの人が「翻訳家」という言葉で連想するのがこの出版翻訳家ではないでしょうか。

出版翻訳では、原書のストーリーやイメージを壊さないよう、高い語学的センスによる言葉選びや文章の構成力が要求されます。
このような高い語学力と日本語力が求められることに加え、昨今の書籍離れの影響から、出版翻訳のみで生計を立てられる人は少ないため、出版翻訳家は狭き門であると言えるでしょう。

映像翻訳

メディア翻訳とも呼ばれる分野です。外国語による映画やドラマ、ドキュメンタリー番組などを翻訳する仕事です。ときには海外ニュースや楽曲の歌詞の翻訳を含むこともあります。映像翻訳は一般的に、翻訳したテキストを字幕として映像にのせるパターンと、日本語で台詞として吹き替えて映像にあてるパターンに分けられます。

単に外国語による映像を日本語へと翻訳するだけでなく、映像や放送内容にふさわしい訳をあてる日本語力も必要となります。

例えば、情緒豊かな世界観の映画であれば繊細な訳を作成し、ニュース映像では正確性と公平性を重視した翻訳をする、といった具合です。特に字幕作成の場合は、一目見ただけで伝わるような訳文作成が求められます。

こうした高い専門性が必要であるうえに、映像翻訳に携わることのできる翻訳家の数は多いとは言えません。そのため、出版翻訳と同じく、映像翻訳家もまた狭き門とされています。

翻訳家の活躍の場は?

一般的には、翻訳部署を持つ企業に雇用されて会社員として働く場合と、フリーランスで翻訳家として働く場合の2パターンに分けられます。それ以外にも、翻訳以外の仕事を本業として、副業で翻訳をおこなう人もいますが、ここでは本業として翻訳の仕事をする上の2パターンの翻訳家について解説します。

会社員の場合、翻訳専任の社員を正規雇用する企業は少なくなっている現状があります。そのため、翻訳以外の業務を兼任するか、派遣社員として企業で仕事を行うことも多くなっています。

また、企業による採用の場合、年齢制限や学歴による待遇の違いなど、応募や働くうえで制約があることも少なくありません。
フリーランスの場合、在宅で翻訳をする人も多くいます。年齢制限がなく、勤務時間も規定されておらず、さまざまな面で融通が利くというメリットがありますが、福利厚生がないこと、仕事をするうえで高い自己管理能力が求められることを知っておきましょう。

会社員として働く翻訳家と、フリーランスの翻訳家。どちらにもメリット・デメリットがあるため、自分の志向や性格、スキルに合った働き方を選ぶ必要があります。
次に、翻訳家の給与面を見ていきましょう。

翻訳家の年収は?

企業内で働く会社員として翻訳をする場合、その企業から支給される額=年収となります。企業ごとに定められている給与規定内で給与が発生しますが、正社員の場合、平均年収は474万円であり、ボリュームゾーンは445〜521万円となっています(※1)。

しかし、年収額の幅は200万円台から900万円台まで広く、企業やスキルによって個人差が大きいことが推測されます。(2020年8月現在)

※1:求人ボックス-『翻訳の仕事の年収・時給・給料情報』

フリーランスで翻訳家として働く場合、働き方や仕事の量が個人によって大きく異なるため、平均年収値が算出しづらい現状があります。一般的に、翻訳単価は文字数によって決まります。

手がける文書の専門性が高ければ高いほど単価が上がる傾向にあるため、専門とする翻訳分野によって報酬も変わってきます。高額な年収を得る翻訳家がいる一方で、翻訳だけでは生計を立てられない人がいるなど、フリーランスの翻訳家の年収は個人差が大きいようです。

翻訳のやりがいは?辛さは?

翻訳の仕事には、業務を通じて新しい知識に触れることができる、語学力を活かして自分のペースで仕事ができる……といった楽しさがあり、それがやりがいに繋がります。

自分の語学力や言葉のセンスを活かした仕事によって、取引所や世間から認められることも大きなやりがいでしょう。翻訳という仕事の醍醐味は、「好きな語学を活かして社会的評価を得られる」点だとも言えます。さらに、仕事を通じて自己成長を感じる機会が多いこともやりがいのひとつです。
反面、常に知識をアップデートし、言葉のセンスを磨くなど、スキルを高める努力を努め続けなければならない苦労もあるでしょう。

また、言葉を扱う職業だけに、原文にふさわしい日本語を訳出する過程では孤独に悩むことも少なくありません。悩みはじめると際限がない……、というのは翻訳家の職業病のようなものでしょう。

翻訳家に向いているのはどんな人?

では、大きなやりがいがある一方で、苦労や辛さも多い翻訳家の仕事に向いているのはどんな人なのかを見ていきましょう。
翻訳の仕事に対する評価は個人の能力に依存するところが大きく、翻訳家本人の力量が問われます。そのため、自分のスキルを活かして成果を挙げることに達成感を見いだせる人や、自分のペースで結果を出したい人が適していると言えます。

また、ひとつの外国語テキストにじっくり取り組むことが多いため、集中力は必須。個人作業でもモチベーションと向上心を維持し続けられる力も要求されます。何より、言葉が好きで知的好奇心があること、クリエイティブさと地道さを兼ね備えていることが大切です。

翻訳家になるために必要な資格・スキル

鈴木

翻訳家の仕事内容は理解できました!しかし、翻訳家になるために必要な資格などはあるでしょうか?

鈴木

外国語を日本語に訳すと言っても、さまざまな仕事内容がある翻訳家。資格は不要とは言え、言葉を扱う職業ならではの高度なスキルが必要になります。

結論から言うと、翻訳家になるのに資格は必要ありません。また資格があるからと言って必ず仕事が得られるわけではありません。
しかし、自分の能力を客観的にアピールできる数値的データは大きな強みになります。

さらに、機械翻訳が進化してきている昨今、翻訳家には「機械にはない高度なスキルや専門性」が要求されることを知っておく必要があります。
また、語学や翻訳の実力とともに、コミュニケーション能力や営業力も欠かせません。翻訳家に必要なスキルをまとめると、次のようになります。

外国語の読解およびリスニング能力

外国語を深く理解し、正確な訳ができることは基本中の基本です。言語だけでなく、その外国語を取り巻く文化や歴史、風習なども理解しておく必要があります。スクリプトがない映像翻訳をする場合は、リスニング能力も非常に重要になります。

文書の目的ごとに最適な訳をあてる日本語の運用能力

翻訳分野によって、求められる文体・文調はそれぞれ。適した言葉を選びつつ、分かりやすい日本語訳をあてる能力が要求されます。読み手のことを考えた構成や読み手の対象年齢まで考慮に入れた訳出のできるスキルが不可欠です。

時代の流れに合った日本語訳をつくる言語的センス

時代と共に日本語の使い方も変化します。外国語の語彙や知識だけでなく、世の中の流れに合った言葉遣いで日本語訳ができる言葉のセンスが求められます。常にスキルを高める努力を怠らず、知識やセンスをアップデートし続ける姿勢も重要です。

(主にフリーランス)実力をアピールして仕事を得るためのPR力

フリーランスの場合、実力があっても仕事が得られないこともしばしば。翻訳家として仕事をしていくためには、数値的データや実績を効果的にアピールする自己PR力が欠かせません。

また、業務を進める中でクライアントの意向を確認し、求められたレベルの訳文を納品することも重要です。フリーランスであってもコミュニケーション能力は欠かせません。こうした仕事の積み重ねが実績となり、次の仕事を呼ぶことも多いものです。

翻訳家になるためのステップとは

鈴木

翻訳家になるためには、読解力やリスニング以外にもPR力が必要なんですね!では、翻訳家になるためのステップを教えてください!

鈴木

どの翻訳分野を専門とするかによって、ステップが変わってくることもあります。大きく分けて3つのステップから翻訳家としての仕事が始まります。

ここまで見てきたように、翻訳家として仕事をするためには、資格こそ不要なものの、語学力と高度なスキル・専門性が必要です。つまり、翻訳家になるには、語学力と言葉に関する素養があることが大前提です。

さらに、翻訳家として仕事をするうえでは「どの分野を専門とするか」が重要ですが、翻訳分野ごとに特有のステップを踏む必要がある場合も。どのようなステップがあるのかを知っておくとよいでしょう。
ここでは、翻訳家になるために経ることが多い3つのステップについて解説します。

企業の翻訳部門に応募する

企業の翻訳部門に応募することが産業翻訳家として働くための最初のステップです。しかし、近年は正規雇用で翻訳家を雇う企業が減少傾向にあること、経験値を重視する企業が多いことなどから、狭き門になりつつあるのも確かです。

特に新卒採用で翻訳の仕事に就ける可能性はほとんどありません。語学力を磨きつつ、自分に適した求人をこまめにチェックするようにしましょう。

翻訳会社に登録する

企業と直接雇用を結ぶのではなく、翻訳会社を通じて企業から産業翻訳の仕事が来るのを待つ方法です。スポットで仕事を得ることが多く、仕事を始めてからしばらくの間は単価が非常に安いことが多いことも知っておきましょう。

出版社やメディアに自分で応募する

出版翻訳や映像翻訳に携わる場合の方法です。出版社やメディアに自分の翻訳した原稿を持ち込む、コンテストに応募する、といった方法があります。