転職アドバイザー・星野
早大卒。新卒でIT関連の大手企業に入社後、営業として活躍。5年営業として勤務した後、人事に異動。採用業務に関わる。
その後、IT企業を退職して転職エージェント運営企業に転職し、キャリアアドバイザーとして求職者の転職を支援する。
現在は人材系コンサルティング会社で組織運営コンサルティングに携わり、人事的な側面から企業の経営をサポートしている。趣味は読書で、週に1冊は本を読む。
求職者・鈴木
明治大学卒。新卒で大手製紙メーカーに入社。営業として働いているが、自分のやりたいことは何かと考えるうちに現状に対して違和感を覚え、転職活動を始める。
こんにちは!転職アドバイザーの星野です!
20代で転職をを考えている人は、
『入社3年以内の転職って不利なのかな……?』
『経験不足で良い転職先が見つからなかったらどうしよう』
と悩みますよね。
20代の転職を成功させるためには、リスクを知り、今転職することで将来何を実現したいのか、なるべく長期的なキャリアプランを立てることが大切です!なぜなら、キャリアプランを立てることで転職の正しいタイミングを見極め、一貫性のあるキャリア形成が可能になるからです!そこで、この記事では転職アドバイザーの目線から、20代の転職を成功に導くためのノウハウを全てお伝えします。最後まで読めば、20代の転職リスクを事前に把握し、転職に失敗しないための重要なポイントを知ることができます!
目次
20代で転職をするときに気をつけたい7つのリスク
事前にリスクを知っておくことで、苦境に陥らないよう備えることができます。
まずは20代で転職するときに気をつけたいリスクを7つご紹介しましょう。
リスク1 転職先の環境や仕事が合わないことがある
転職先の情報には、事前に知ることができることと出来ないことがあります。例えば、年収や就業時間、その他福利厚生の有無などは、求人票に書かれているため誰でも事前に知ることができます。しかし、職場の雰囲気や人間関係、実際の仕事内容は、入社してみなければ実態が分からないのが正直なところです。
さらに、20代の転職希望者は、職歴が1社または多くても数社程度な人が多いため、自分の想定を超えたイレギュラーな事項に対応するには経験が乏しく、「前職で当たり前だと思っていたことが転職先では全然違った!なじめなくて辛い!」となってしまうのは、よくある失敗のうちのひとつなのです。年収など、目に見える条件へのこだわりが強く視野が狭くなりがちな人は注意が必要です。
リスク2 ブラック企業に転職してしまう可能性がある
20代の転職活動では、社歴の浅さから自分の経歴のアピールポイントが分からず、やりたいことやキャリアプランがあやふやなまま次の転職先を選びがちです。離職率が高く、常に人手が不足しているブラック企業の求人は募集要項の条件が緩かったり、仕事内容が耳ざわりの良い表現で書かれていたりと、一見魅力的に映ります。
(例)未経験歓迎!・ノルマ無し! 既存のお客様向けのルート営業!
入社してみたら実はブラック企業だったということを避けるためにも、自分の市場価値を知り、求人情報を見極める力を養いましょう。
リスク3 仕事が続かない人だと思われてしまうことがある
「継続は力なり」ということわざがあるように、一般的にひとつの仕事を継続することで得られるスキルや経験、社会的信頼はとても価値のあるものです。これは20代に限りませんが、短期間で業界や業種に一貫性の無い転職を繰り返してしまうと、面接フローに進む前に「仕事が続かない人だ」と判断されてしまうリスクが高まります。
特に社歴が浅くなりやすい20代の転職活動では、「入社してもすぐに辞めないか?」「ストレス耐性はあるか?」といった点も採用担当者が大いに気にするポイントになりますので、やりたいことが不明瞭な場合や、転職をしてもキャリアアップに繋がらない可能性がある場合は、不用意に転職歴を増やさない判断も大切です。
リスク4 前職を辞めたことを後悔してしまうことがある
信頼できる上司、親切な同僚、平凡だが平和な日常などなど……これまで当たり前だと思っていたことが、転職先にはなかった場合、前職がいかに恵まれていたかに気づくことでしょう。誰もが前職を退職するにあたり、それなりの困難や、そこでは改善または実現出来ない何らかの理由があったはずです。しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れるということわざの通り、過去の困難は時間の経過とともに気がづけば忘れてしまうもの……。そうなると、転職先の悪い点と前職の良い点を比べて、前職のほうが良かったと、辞めたことを後悔してしまうケースも少なからずあります。
リスク5 勢いで辞めてしまうと転職先が見つからないことがある
たとえ20代であったとしても、第二新卒の時期を過ぎてからの転職は中途採用として見られます。即戦力であるかどうかが重視される中途採用の場では、実績や成果が無いまま前職を退職してしまうと、ライバルである他の求職者と比べて経歴が見劣りするため、思わぬ苦戦を強いられることになります。また、「後先考えずに辞めてしまう=計画性がない」と判断される可能性もありますので、転職するかどうかを迷っている方は、まずはきちんと情報を収集して計画を立て、勢いで辞めることだけは避けましょう。
リスク6 転職先で年下が上司になることもある
これをリスクと捉えるかどうかは意見が分かれるところですが、転職したら上司が年下だったというのは決して珍しい話ではありません。近年、従来の年功序列制度の見直しと成果主義の採用により、若手の管理職が誕生する企業も随分と増えてきました。
年下の上司は、経験の浅さから物事の進め方や部下への指示の出し方が不慣れで、まだまだ上司として半人前なこともあるかもしれません。しかし、たとえ年下であったとしても、その上司は過去にその会社で何らかの個人実績を出し、現在は会社から組織で成果をあげるミッションを与えられた人です。年齢関係なくその人から学ぶべきところは学び、一方で年上の経験豊富さを活かしたサポートを意識することで、きっと周囲から一目置かれる存在になることでしょう。
リスク7 ローンを組みにくくなる
住宅や車など高額商品購入の際のローン審査では、勤務先・勤続年数・年収・転職歴などからその人が最後まで長期的に返済可能であるかどうかを判断します。金融機関の中には、融資条件のひとつに直近の勤続年数が3年以上であることを定めているケースもあります。20代の転職は、勤続年数が短くなりやすいため、収入の安定性や今後の見込みの判断がつきづらく、ローン審査の結果に影響を与える可能性があります。
7つのリスク、いかがでしたか?
リスクを知った上でしっかり対策をすることで、転職時の失敗を避けることができるでしょう。
20代の転職で失敗してしまうパターン6選
パターン1 転職する理由を会社や人のせいにしている
転職活動では、必ずといっていいほど前職の退職理由を聞かれます。中には、自分ではどうしようもない理由で退職を決意するケースもあるかとは思いますが、他責の理由だけをそのまま答えてしまうのは残念ながら悪印象に繋がります。たとえきっかけがそうであったとしても、転職することでその先、何を実現したいのか。他に要因を求めるのではなく、自分自身を内省して前向きな理由を見つけることが大切です。
パターン2 会社を辞めたいという理由だけで転職しようとしている
20代で転職しようとする人は、とにかく今の仕事を辞めたいという気持ちが先行し、転職先で実現させたいことについては漠然としているケースが多いです。「今の職場での不満さえ解消できればそれで良い」と単純に今とは真逆の環境の転職先を選んだ結果、今度は別の理由でその職場が嫌になり、結局また短期間で辞めてしまった、という転職スパイラルに陥らないよう注意が必要です。
パターン3 キャリアプランや志望理由に一貫性がない
中途採用の面接の場でも、ほとんどの場合、今のキャリアプランや志望理由に関する質問があります。職務経歴書に沿った過去の経歴の説明と、それを踏まえてこれから転職先で実現したいキャリアの説明がチグハグだと、面接官はあなたが何のために自社を志望しているのか納得感を得ることができません。
なお、さまざまな業界・業種を経験していることがマイナスに直結するというわけではありません。未経験の業界・業種を志望する場合だとしても、明確な目標や今後のキャリアプランがあっての選択であることをロジカルに伝えることで、志望理由に一貫性を持たせることができます。
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パターン4 焦りでじっくり考えずに転職先を決めてしまう
勢いで前職を辞めてしまって無収入の期間が続いたり、思うように転職活動が進まなかったりで精神的に焦りが出てくると、じっくりと考えて決断することが難しくなります。焦って妥協したり、行き当たりばったりのまま転職をすると、結果的に数か月後~数年後に何度も転職を繰り返すことになりかねません。転職活動に焦りは禁物。入念な準備をすることで余裕をもった決断と行動を心がけましょう。
パターン5 新卒のときの就職活動と同じように考えている
新卒採用は意欲が重視されるポテンシャル採用である一方、中途採用は前職での実績やスキルが重視される即戦力採用です。同じ20代だからと、新卒の就職活動と同じような受け答えをしていると失敗してしまうので注意が必要です。たとえ社歴が浅かったとしても、その中で何を学び具体的にどのような成果をあげたのか、そしてそれが今後企業にとってどのような利益をもたらすのか、可能であれば数値化するなどして相手に具体的に伝えることが大切です。
パターン6 転職先を決めずに辞めてしまう
「最近は売り手市場って聞くし自分もすぐに次が決まるはず」「今の仕事が忙しすぎて転職活動と両立できない」などの理由で、転職先を決める前にとりあえず今の仕事を辞めようとしている人はいませんか?一般的に2~3か月以上の離職期間がある場合、ほぼ間違いなく面接の場で離職期間が長引いている理由を聞かれます。
面接官にとっては、特別な事情があったのかどうかを確認するための何気ない質問だとしても、聞かれる側としては、資格の勉強など明確な理由がないと、なんとも答えにくい質問です。また、退職したのち当初の予定よりも転職活動期間が延びてくると、金銭面や精神面での余裕もなくなってくるので、転職先を決めずに辞めることは出来れば避けたほうが良いでしょう。
いかがでしたか?油断すると誰もが陥りそうなパターンばかりですよね。自身に当てはまるものがないか、是非気をつけてみてください。
20代の転職リスクを最小限にするための5つのコツ
ここでは、20代の転職リスクを最小限にするためのコツを5つご紹介しましょう。
コツ1 転職の目的を「会社を辞める」ではなく「キャリア実現」にする
前項でご紹介した通り、「会社を辞めたい」という理由だけで転職すると失敗しがちです。「不満」というのは不思議なもので、ひとつ払拭しても次から次へと湧いて出てきます。不満の払拭を理由に何度も転職を重ねると、いつのまにか経歴に一貫性が無くなり自分が何を目指していたのか分からなくなってしまいます。そうした失敗を防ぐためにも、長期的なキャリアプランを立て、その実現のために転職先で何が得られるのか、きちんと自分の目的と行動を整理することが大切です。
コツ2 転職スケジュールをしっかり立てて行動する
転職に慣れていない人は、とりあえず転職サイトを見て気に入った求人に応募して……と行き当たりばったりな転職活動になりがちです。思っていた以上に長期化して気づいたら数か月間のブランクができてしまった、ということにならないよう、まずは「〇月入社を目指す」と目標を決め、そこから逆算して現職の退職時期や求人の応募時期などのスケジュールを立てると良いでしょう。また、きちんとスケジュールを立てることで転職活動にかかるお金の管理もしやすくなり、金銭面からくる余計な不安や焦りもなくすことができます。
コツ3 転職を繰り返さないように会社選びの条件を明確にする
転職後に後悔しないためには、今の仕事を辞める理由と今後実現したいキャリアを明確化し、次の転職先に求める条件に優先順位をつけることが大切です。この条件軸がブレていると、パッと見で良さそうと思った会社に手当たり次第エントリーし、その結果、一貫性が無いため志望理由が定まらず、面接の受け答えに矛盾が生じるなどの失敗に繋がります。転職の先に自分は何を実現したいのか、そしてそのためにどんな会社を志望するのか、落ち着いて判断しましょう。
コツ4 転職活動が長引いてもいいように準備しておく
一般的に、転職にかかる期間の平均は3ヶ月から半年程度と言われています。在職中に次の転職先が決まれば良いのですが、そうではない場合、無収入の状態で月々の生活費や税金、転職活動費、その他の支出の全てを賄わなければなりません。転職活動の思わぬ長期化による焦りから、妥協して結果的に以前より悪条件の会社に転職してしまった……ということにならないためにも、しばらくは生活できるほどの貯蓄をし、金銭面でも精神面でも余裕を持てるよう備えておくことが大切です。
コツ5 転職エージェントを利用する
転職エージェントサービスは、「エージェント=代理人」という言葉が意味する通り、あなたの代わりに求人を見つけたり、企業に待遇面の交渉をしたり、あなたという人材を提案したり、その他転職に関する様々な事柄を代理で行ってくれるサービスです。転職エージェントを使う最大のメリットは下記の2点です。
(1)有益な情報を得られる。(非公開求人、求人票には載っていない情報 etc…)
(2)面接では伝えきれない求職者の長所を、第三者の目線で採用担当者に直接アピールしてくれる。
「優秀なエージェントに出会うこと」は、転職を成功させるための一番の近道ともいえるでしょう。
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いかがでしたか?5つとも全て非常に大切なことです。漏れなく気をつけましょう。
【コラム】総合型の転職エージェントと第二新卒転職エージェントの違いとは?
転職エージェントによってそれぞれ得意な分野が異なります。ここでは、総合型転職エージェントと第二新卒転職エージェントの違いについてご紹介しましょう。
総合型転職エージェントは、あらゆる年代向けのあらゆる求人を取り扱っている転職エージェントであるのに対し、第二新卒転職エージェントは、言わずもがな第二新卒の転職サポートに特化した転職エージェントです。
全体の求人数は総合型転職エージェントの方が多いですが、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策といったサポート面は第二新卒転職エージェントの方が手厚いため、転職に不慣れな第二新卒の方には後者がおすすめです。第二新卒転職エージェントは、キャリアアドバイザーと密に連携する機会が多いため、より自分と相性の良いアドバイザーを選びましょう。また、第二新卒転職エージェントが扱う求人は、総合型より数は少ないものの、第二新卒を歓迎しているものがほとんどであるため比較的採用率も高く安心です。
第二新卒エージェントは、サポートが手厚く初めての転職活動の力強い味方です。第二新卒の方は、総合型転職エージェントの幅広い求人から情報収集をしつつ、第二新卒転職エージェントを使ってより手厚いサポートを受けると良いでしょう。
20代の転職で利用しておきたいオススメ転職エージェントをご紹介
前項でもお伝えした通り、転職エージェントはそれぞれ得意分野が異なります。ここでは、20代の転職にオススメな転職エージェントをいくつかご紹介しましょう。
■マイナビエージェント 「20代に信頼されている転職エージェント1位」にも選ばれており、20代や第二新卒の転職に強い転職エージェントです。熱心なキャリアアドバイザーが多いことに定評がありますので、自分に合うキャリアアドバイザーを見つけるためにも是非登録しておきましょう。
■doda 業界No2のパーソルキャリアが運営するで転職エージェントサービスです。30年以上の転職支援実績があり、圧倒的な求人数を誇ります。行きたい業界が決まっておらず、幅広い求人を見てみたい!という人は是非登録しておきましょう。
■リクルートエージェント 言わずもがな、国内最大手の転職エージェントです。保有する求人のうち多くが非公開求人で、その数なんと約150,000件に及びます。また、対企業への交渉力が高く内定率が高いことにも定評がありますので、登録しておいて損はありません。
■パソナキャリア 大手人材サービス会社であるパソナグループが運営する転職エージェントサービスであり、2019年のオリコン顧客満足度の転職エージェントランキングで第1位を獲得しています。リクルートエージェントやdodaと比べると求人数は控え目ですが、サポートの手厚さに定評がありますので、慣れない転職に不安がある方にオススメです。
■ビズリーチ 国内外のヘッドハンターからスカウトが届くハイキャリア向けの転職エージェントです。他の転職エージェントとは異なり「有料」であることが特徴ですが、登録後一定期間の無料のお試し期間があります。現職である程度の実績を積みワンランク上の転職にチャレンジしてみたい方や、スカウトを受けることで自分の市場価値を測りたい方にオススメです。
いかがでしたか?皆さんが数ある転職エージェントサービスの中から自分に合ったエージェントと出会い、ベストな転職を実現されることを心よりお祈りしております。