年収と税金の関係とは?課税額の計算方法と節税のポイント

転職アドバイザー星野

早大卒。新卒でIT関連の大手企業に入社後、営業として活躍。5年営業として勤務した後、人事に異動。採用業務に関わる。

その後、IT企業を退職して転職エージェント運営企業に転職し、

キャリアアドバイザーとして求職者の転職を支援する。

現在は人材系コンサルティング会社で組織運営コンサルティングに携わり、人事的な側面から企業の経営をサポートしている。

趣味は読書で、週に1冊は本を読む。

求職者・鈴木

 

明治大学卒。新卒で大手製紙メーカーに入社。営業として働いているが、自分のやりたいことは何かと考えるうちに現状に対して違和感を覚え、転職活動を始める。

こんにちは!転職アドバイザーの星野です!年収と税金のことを詳しく知りたいという人は、

『年収と税金の関係を理解して節税対策をしたい』

と考えたりしてしまいますよね。

結論からいうと…

「節税をキチンとする」ためには税制度について大まかに知ることが大切です!

なぜなら、税制度を理解することで、「どんな場合に税金が高くなり、どんな場合に節税ができるのか」を理解できるからです!

そこで、この記事では転職アドバイザーの目線から、「会社員ならば大まかに知っておいたほうが良い税金に関する知識」を全てお伝えします。

最後まで読めば、税金について理解でき、節税をするためのアクションをすぐに起こすことができます!

あなたの税金はいくら?年収と税金の関係とは

私の会社では毎年少しずつ昇給をするのですが、それに応じて税金や保険料など引かれる金額も増えるのであまり上がった気がしないんですよね。何でこんなに色々引かれちゃうんでしょうか。とても損した気分になるので、しっかり手取りを増やしていくための方法を知りたいなと思いました。何かいい方法はありませんか?

年収と税金の関係は、少し細かい話も入ってくるので難しく感じますよね。そして毎月の給料から引かれるので、気になる人も多いはずです。しっかりと年収と税金の関係について知り、どのような仕組みでその金額が決定しているのかを理解することで、手取りを増やしていくための工夫の一手を打つことができますよ!これから1つずつ学んでいきましょう!

年収・手取り・税金・社会保険料などの関係を1つずつ理解していきましょう!

給料から引かれる税金は『所得税』と『住民税』

会社員の場合、給料から天引きされている税金は「所得税」と「住民税」です。所得税とは、個人の1年間の所得にかかってくる税金です。収入が増えれば増えるほど支払う割合・額の増えていく累進課税という仕組みで金額が算出され、国に納めることになります。

そして住民税とは、前年の所得をベースに翌年の納税額が決定する税金で、市町村・都道府県などの地方自治体による教育や副詞、各種行政サービスを提供するための資金として徴収されています。住む地域によっても税額は変わってくるのが特徴です。

手取りとは年収から税金と社会保険料、雇用保険料を差し引いた金額

世間一般に言われている「手取り」とは、年収から税金・社会保険料(健康保険・厚生年金保険)・雇用保険料などを全て控除した、実際に受け取る金額のことを言います。これらすべてを控除すると、額面上の金額×70%程度が残ります(一般的な収入のサラリーマンの概算)。これを手取りと言い、自分自身が自由に使える金額です。

会社から振り込まれる金額は、基本的に全てが控除された金額なのでなかなか意識をしませんが、自分が毎月支払っているものだと正しく認識しておくのが大切です。

税金は『収入』ではなく『所得』に対して課税される

そして大切なポイントとして、税金は「収入」ではなく「所得」に対して課税される点が挙げられます。収入は自分が実際に稼いだ金額ですが、所得というのは収入から経費や控除額を引いた残りの金額です。そのため、収入が増えれば増えるほど納める税金の額も増えてしまいますが、それに伴って経費や控除額も増えていれば税金の増額を防ぐことだってできてしまいます。

本来控除されたはずの金額を「知らなかった」だけで損してしまうこともあるので、税金の仕組みについて理解しておくのはとても大切です。

年収から所得税を計算する方法

年収から所得税を計算するには、次のようなステップで計算をしていきます。

1.給与の年収から「給与所得控除」を差し引いて「給与所得の金額」を算出します。

 「給与所得控除」の金額は年収に応じて決まっているので、自動で算出されます。

2.次に1.の「給与所得の金額」から「所得控除額」を差し引いて、「課税所得金額」を算出します。

 「所得控除額」は、国の定める基礎控除、扶養控除、配偶者控除などの計14種類の控除です。

3.そして2.の「課税所得金額」を国の定めた「税率」に応じて掛け合わせ、納税額を算出します。

住民税は均等割と所得割の合計が課税される

地方自治体に対して納める住民税は、「均等割」と「所得割」の合計を支払う必要があります。

「均等割」は都道府県民税が年間1,000円、市町村民税が年間3,000円です。

「所得割」は前年度の給与・賞与の金額に基づいて、約10%の税率で徴収されます。そのうち6%が市町村民税として、4%が都道府県民税となります。

これら二つを合わせた額を「住民税」として毎月均等に割り振って支払いを行います。実際の支払いは企業が代わりに行っており、給与明細などからいくら毎月払っているのかが分かります。

年収別の税金と手取り額まとめ

以上を踏まえて、年収別の税金額・手取り額のまとめを作ってみました。

年収300万円:保険料47万円:税金17万円:手取り額236万円

年収400万円:保険料60万円:税金26万円:手取り額314万円

年収500万円:保険料75万円:税金38万円:手取り額387万円

年収600万円:保険料91万円:税金50万円:手取り額459万円

年収700万円:保険料107万円:税金68万円:手取り額525万円

年収800万円:保険料117万円:税金92万円:手取り額591万円

年収900万円:保険料122万円:税金118万円:手取り額660万円

年収1000万円:保険料128万円:税金144万円:手取り額728万円

所得をもとに計算された「税金」や「保険料」が引かれて、手取り金額になる!

【コラム】うまく活用して税金を減らそう。所得控除の種類一覧

年収が増えても保険料や税金もどんどん高くなるので、あんまり手取りが増えた気がしないのも分かってきました…。さっきの話では、税金や保険料は「収入でなく所得にかかる」とのことだったので、できる限り控除とかを活用すればいいんですよね!納税が大切なのもわかっていますが、生活につながるので節税もしていきたいです。所得控除についてもう少し教えてください!

とても良い着眼点ですね。脱税はいけませんが、節税を正しい知識のもとに行うのは大切なことです。課税所得を計算する過程で必要になる「控除」についてしっかりと理解すれば、自分の支払う税額が少しは減るかもしれません。この大切な「所得控除」について列挙しますので、自分が当てはまるものはしっかり控除に入れるようにしましょう!

支払う税金を減らしてくれる大切な存在、所得控除!14種類全てをご紹介します!

基礎控除:誰もが必ず貰える控除で、38万円の控除となる。

配偶者控除:年間給与が103万円以下の配偶者がいるともらえる控除

配偶者特別控除:年間給与が104~201万円の配偶者がいるともらえる控除

扶養控除:16歳以上の養っている家族がいるときにもらえる控除(配偶者は除く)

社会保険料控除:支払った健康保険料・厚生年金保険料などの社会保険料の額に応じた控除

生命保険料控除:生命保険料を払った金額に応じた控除

地震保険料控除:地震保険料を払った金額に応じた控除

医療費控除:年間10万円を超えてかかった医療費に応じた控除

寄付金控除:ふるさと納税などの寄付金の額に応じた控除

小規模企業共済等掛金控除:確定拠出年金や小規模企業共済の額に応じた控除

障がい者控除:本人含む扶養者に障がい者がいれば一定額もらえる控除

寡婦(寡夫)控除:夫または妻と死別した人がもらえる控除

勤労学生控除:学校に通いながら働いている人がもらえる控除

雑損控除:震災や盗難にあった際にもらえる控除

14種類の所得控除をフル活用して、しっかり節税に取り組もう!

税金を減らすために活用したい制度5選

所得控除について色々学んでいくと、様々な国・自治体が行っている取り組みや日々の暮らしの中に控除のきっかけがあるのが分かってきました! 控除の種類は理解できたのですが、実際にどういうことをすればいいのか、どれだけお得なのかというのがあまり分かっていません。税金を減らしていくために活用できるそれぞれの制度についてもう少し詳しく教えてもらえませんか?

しっかり勉強されていて素晴らしいですね!税金・控除というのは法律に定められているものなので少し分かりづらいかもしれませんが、お得になる制度の面から学んでいくと、思ったよりも簡単に理解できると思います。これから税金を減らすために活用してほしい制度をいくつか紹介していきます!

税金を減らすために活用したい制度4選!すぐに始められるものから、コツコツ積み立てるものまで!

その1 確定拠出年金

確定拠出年金は個人が行うものと企業が行うものがあり、個人が行うものは別名でiDeCo(イデコ)とも呼ばれています。この個人型の確定拠出年金(iDeco)は、自分で額を決めて好きな資産運用商品を選べる、資産運用型の年金となります。年金といわれるように、基本的には60歳になるまで受け取ることができないというのがデメリットです。

しかし、この確定拠出年金は支払った額はすべて所得控除の対象となるので、節税にとても役立ちます。つまり確定拠出年金で支払った分だけ自分の所得を抑えることができるので、年末調整の際に還付をうけることができるんです。サラリーマンの場合、月23,000円、年間276,000円まで掛金を拠出することができるので、ぜひ活用すると良いでしょう。

その2 NISA

NISAとは金融庁が主導で行っている、個人投資家のための税制優遇制度です。個人投資家と聞いて自分に関係ないと思ったら大間違いです。国は幅広く気軽に投資をしてほしいという考えのもと、一人一人が個人投資家として資産運用できるように作った制度がNISAです。

NISAは、年間120万円までの投資の運用益が最大5年間も非課税になる制度です。通常であれば投資の運用益には20%の税金がかかるため、とてもお得な制度と言えます。確定拠出年金等とは違って、いつでも引き出すことができるのも良い点といえるでしょう。

その3 ふるさと納税

ふるさと納税は、自分の好きな自治体に事前にお金を支払うことで、その金額に合わせた返礼品が貰えるという仕組みです。しかし、支払った分すべてが納税代わりになるわけではなく、(1) 2千円の自己負担額が必ずあること (2) 所得に応じて控除限度額が決まっており、それ以上の支払いは意味がなくなってしまうこと の2点に注意してください。少し前までは、Amazonギフトカードや豪華な家電などが返礼品で貰えていたのですが、国が過度な返礼品競争を規制し始めたので、最近では「返礼品は納税額の約30%の仕入額のもの」と定められてしまいました。

しかし、定められたのは「小売価格」ではなく「仕入値」であることから、食料品においてはまだまだお得なものもたくさんありますので、ねらい目といえるでしょう。

その4 住宅ローン減税

住宅ローン減税のことを正式には「住宅借入金等特別控除」と言います。住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、一定の期間住宅ローンの年末残高の一定割合に相当する金額を、税金から控除してくれるというものです。住宅ローン減税を受けるためには決められた要件をすべてクリアしたお家である必要があるので、その点に注意をして家づくりを考える必要があります。

そして住宅ローン減税を受けるためには、最初の年に確定申告を行う必要があります。あらかじめ各種書類や準備が必要なので、ゆとりをもって手続きをするのをオススメします。

その5 医療費控除

医療費控除とは、一定額以上の医療費を年間で支払った場合に、一部税金の控除が受けられるというものです。医療費控除を行うためには会社員であっても確定申告をする必要があります。医療費控除の対象となる金額は、保険料や給付金などがもらえた金額を差し引いて、支払った医療費が10万円を超えた額となります。

また、医療費控除については家族の分もまとめて申告することができるので、家族の中で一番所得の多い人が家族の分の医療費もまとめて医療費控除を申告すると、税負担を減らせる額が増えるので、このテクニックは覚えておいたほうが良いでしょう。

税金を減らせる方法は、色んな所に転がっている!しっかり制度を理解してお得に活用しよう!

【コラム】同じ年収でも1人で稼ぐ場合と世帯収入とでは課税額が異なる

私は独身・一人暮らしで年収500万円あります。今後も独身で少しずつ年収を増やしていきたいなと思っています。周りには夫婦で合わせて年収1,000万円を目指しているところもありますが、私だけ頑張って年収1,000万円を目指すのは何にも変わらないので、この道を進んでいきたいと思っているんです。

ちょっと待ってください!独身で1,000万円稼ぐ人と、夫婦合わせて1,000万円稼ぐ人では実質的に得られる金額が大きく変わってきます!日本は高収入になればなるほど所得税を払うことになる累進課税の仕組みをとっているので、この点に注意する必要があるんです。実際の例をもとに見ていきましょう!

年収1,000万円を一人で稼ぐのと夫婦で合わせて稼ぐのでは、こんなに差が生まれる!

 

まず、年収1,000万円を一人で稼いだときの所得税額を見ていきましょう。収入が1,000万円ありますが、それから各種控除などを差し引いて所得税額を計算すると、約70万円となります。70万円が1年間に所得税として差し引かれてしまいます。

一方で年収1,000万円を夫婦で稼いでいる世帯(夫が500万円、妻が500万円)であればどうなるのかというと、一人あたりの所得税額は約15万円となります。二人合わせると約30万円です。一人で稼ぐ世帯よりも約40万円ほど所得税がお得ですね。このように世帯の年収が同じであっても、累進課税の仕組みのせいで収入の中身により手取り額が大きく変わってきます。

同じ収入であっても、その収入の中身で税額が大きく変わるので、要注意!